営業の中田です。
前回はエンジン本体を中心にご説明させていただきましたが
今回は燃料の供給方法をご説明いたします。
最近、上の写真の通り冬らしい気候となってまいりましたが
こんな寒い時でも一発でエンジンがかかる事を当り前と思っていませんか?
例えば外でライターで火をつけるとした場合、仮に無風だったとしても
外気温が低い時は暖かい時に比べると火がつきにくいですよね?
エンジンだって内部で火を燃やす訳ですから事情は一緒なんです。
そんな寒い時でも簡単にエンジンが始動できるのは「電子制御式燃料噴射」
のおかげなんですよ。
ガソリンと空気の混合気を燃やす事によってエンジンが動く事は
前回ご説明しましたが当然外気温やエンジン温度等によって前述の通り、
ガソリンの適量が違います。
外気温が低い時はより多くのガソリンを噴射させたり一度かかったエンジンが
寒さで失火して止まったりしないように各種センサーからの情報を
頼りにエンジン回転数を上げてくれたりとコンピューターが人間の代わりに
制御してくれているのです。
エンジンコンピューターさん
「お、ドライバーが来たぞ。今日はどうだい?」
外気温センサーくん
「ブルブル、今日は寒いッス。1℃しかないッス」
水温センサーちゃん
「こっちも寒いよお、早く暖めてえ」
エンジンコンピュ-ターさん
「そっか、じゃあ今日はいつもより多めにガソリンを出すか!?インジェクターくん頼むぞ」
インジェクターくん
「よっしゃ、ドバッといきまっせえ」
といったドラマが皆さんがキーを捻る一瞬の間に繰り広げられているのです。
昔はこれを「チョーク」という機構を用いてガソリンを多めに噴射するよう
機械で制御していたのでドライバーはチョークレバーを引いたりアクセルを
少し踏み込んだりと機械と協力してエンジンを始動していたのですが、
これがまた失敗すると「かぶる」のです。
この「かぶり」というのはガソリンの噴射量が多すぎて火花を飛ばす
スパークプラグが濡れてしまい火が飛ばない、又は飛びにくい状況です。
4気筒の内、1気筒がかぶっただけならなんとかなりますがかなりエンジンの
始動性が悪くなってしまいます。
一度かぶらせるとなかなかかからないんですねーエンジンが。
だから昔は寒い時にエンジンをかけるコツを習得しなければドライバーとして
一人前と言えなかったのです。
暖かい地域にお住まいの方たちは解らないかもしれませんが
こちらは冬の寒い時には「-10℃」なんて事も多いので
より「電子制御式燃料噴射」のありがたみを痛感するのです。
もちろん「電子制御式燃料噴射」の凄さはこれだけではありませんが
皆さんも寒い朝、エンジンが一発で始動した時には思い出してください。
「電子制御式燃料噴射」さん、ありがとう、と。